※診断メーカーhttps://shindanmaker.com/789595より。ジョージが発行する「キス回数券」でキスしてるピタジョ。 Privatterより移行。
はい!と元気いっぱいに渡されたのは、手のひらサイズよりもさらに一回りほど小さい紙の束。束、というほどの枚数でもないけれど。
色画用紙を丁寧に切って束ねられたそれには、『キス回数券』と書かれている。
昔は『なんでも言うこときく券』とか『めいれいできる券』とか、子どもの遊びだったのに。いつの間にか俺がジョージと健全にキスするための必須アイテムになってしまった。本当は、こんなもの無しで思う存分ジョージにキスをしたい。あと何枚、なんて気にせずに何度でも。誰が悪いのかと言えば、未だジョージに好きだと言えない自分が悪い。だから今日も有難く回数券をいただく。こんなはずじゃなかった。
「この間ピーターがテスト勉強に付き合ってくれたから、いつもよりいい点数がとれました!なので、今月は3枚おまけ!」
慌てて(でもジョージには気づかれないように)確認してみると、計18枚。確かにいつもより3枚多い。ということは、いつもより3回多くキスできる。思わず、回数券をにぎる手に力がこもる。
先月は、貰ったその日とその翌日で使い切ってしまった。残り29日間を耐える苦痛。地獄の日々だった。ジョージが俺に笑いかける度、ああ、その頬に手を添えてキスしたいと思って。もうそんなしくじりはしないと毎日誓って。
左手が、ジョージの滑らかな頬に触れる。赤く色づいた唇が愛おしい。ジョージの唇に自分の唇を重ねると、最悪の29日間なんて、この最高の瞬間のための試練だったのかもしれないと思う。唇がくっついてから離れるまでが一回、それがルール。舌を唇の間に差し込んで、すぐに離れてしまわないようにジョージの舌を絡めとる。ジョージが俺の背中をどんどんと叩くけれど、「待て」はできない。
回数券は、キスに夢中な俺の手の中で、くしゃくしゃになっていた。
まさかこの後、「ベロを入れるやつは回数券2枚」の新ルールが追加されるなんて。